青いタイルの誘惑

タイルの中で、具体的な色をリクエストいただくことがある。

シンプルに家を構成していくために、できるだけ色を排除するが、キッチンはここぞと自分の趣味を反映させたい、という思いが集まる場所であると感じる。

例えば、タイルとタイルの間の「目地」の色をグレーにしたい、というお話があるとき。白いタイルだと目地が濃く感じ、同じ寒色系でもグリーンだと目地と色が同化しがちで、黒タイルを選ぶ勇気はない、そんなとき、急遽登場する「青タイル」。青はグレーに馴染みやすく目地感も便利な色だなと思う。また、タイルそのものがクラフト感があることに対し、寒色系というのは、「こうしたいああしたい思い」と「シンプル第一主義」のちょうどいい落としどころだと感じる。

また、「目地」の掛け方で印象が変わるのが毎度毎度本当に不思議である。私にとって、タイル割はとても苦労する仕事のひとつで、壁のタイルは窓のサイズや、キッチンの高さ、吊戸棚の高さと常に関連付けて考える必要がある。その場合、目地幅を何ミリで設定するかは施工者及びタイル厚と深く関連するので、設計者が自由に決められるものではないことを念頭において考える必要がある。また、サイズの小さいタイルの多くはネットが裏面に貼ってあり、目地サイズの調整はしないのが暗黙のルールである。

前に「11~13㎜目地が必要なタイルだけど、なんとか8㎜でやってください」と無理をお願いしたことがある。素晴らしい仕上がりで思った通りの出来で施工してくれたのだった。あの時はちょっと無理を言ったなあ、と思う反面、「あそこで出来たからやれるはず。」とつい、思ってしまう。

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